内科について
内科は、体内のさまざまな臓器や全身の状態に関わる病気を診療する科目です。
当院では、高血圧症や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)といった生活習慣病をはじめ、消化器(胃や腸など)や呼吸器(気管や肺など)に関連する疾患まで幅広く対応しております。
生活習慣病に関しては、患者様一人ひとりのライフスタイルや体調を考慮しながら、ただ単に体重を減らす「ダイエット」を推奨するのではなく、「食事療法」という視点で具体的なアドバイスを行っています。また、病気の早期発見・早期治療を重視し、健康な生活を維持できるよう患者様をサポートします。

このような症状やお悩みがある方はご相談ください
- 血圧が高い、または変動が激しい
- 健康診断で「血糖値が高い」と指摘された
- 最近体重が増えやすい、または減りにくい
- 胸やけや胃の不快感が続く
- 血液検査で「コレステロール値」や「中性脂肪」が高いと診断された
- 咳や息切れが長引いている
代表的な生活習慣病について
高血圧症
高血圧症は、血管内を流れる血液の圧力が慢性的に高い状態を指し、医療機関で測定した血圧値が140/90mmHg以上、自宅で測定した家庭血圧が135/86mmHg以上の状態をいいます。これにより心臓や血管に負担がかかり、放置すると心疾患や脳卒中のリスクが高まります。わが国における高血圧患者数は非常に多く、特に高齢者ではその割合がさらに高くなります。
高血圧症自体は自覚症状が少ないため「サイレントキラー」とも呼ばれます。頭痛やめまいが続く場合もありますが、高血圧症のために受診される時には健康診断で異常を指摘されていらっしゃる患者様が多いです。
高血圧症には、一次性高血圧(原因が明確ではないが遺伝や生活習慣が影響)と二次性高血圧(特定の病気が原因)の2種類があります。塩分過多の食事、運動不足、肥満、ストレス、飲酒過多、遺伝的要因が主な原因です。
当院では、年齢や他の生活習慣病の有無などに応じて個別に治療を行います。治療は生活習慣の改善と薬物療法が中心です。減塩(1日6g以下を推奨)、適度な運動(ウォーキングなど)、体重管理が重要です。薬物療法では、他の合併症の有無や血圧の変動パターンに応じて、種類や用量を選択します。
糖尿病
糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンが不足したり、その働きが十分でないために、血液中のブドウ糖(血糖値)がうまく利用できず、高血糖の状態が続く病気です。糖尿病は本人が気づかないうちに進行することが多く、放置すると合併症(心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気のほか、腎臓病や神経障害、失明など)を引き起こす可能性があります。
糖尿病には大きく分けて1型と2型があり、1型糖尿病は膵臓のインスリン産生細胞が破壊され、インスリンが全く分泌されない状態を指し、割合は糖尿病全体の約5%と少なく、若い人を中心に幅広い年齢で発症します。治療にはインスリン注射が必須です。2型糖尿病はインスリンの分泌量が不足したり、インスリンが効きにくくなったりする状態を指し、成人期に発症することが多く、肥満や運動不足などが主な原因です。食事療法や運動療法、薬物療法などを組み合わせた治療が行われます。
最近は血糖値を下げるだけでなく、体重減少や心血管疾患リスクの低減にも寄与する薬剤も使えるようになりました。一方で、薬同士の相互作用や副作用、心臓や腎臓の機能に応じた投与方法など、一人一人に合った対応が求められます。当院では患者様の治療をきめ細やかにサポートいたします。
脂質異常症(旧称:高脂血症)
血液中の脂質(主にコレステロールや中性脂肪)が正常範囲を超えて異常な状態を指します。これは動脈硬化の主要なリスク因子の一つであり、心筋梗塞や脳梗塞などの深刻な疾患につながる可能性があります。初期の段階では自覚症状が無いため放置されてしまうことも多いですが、健康診断の数値に異変が見られた場合には、早めの受診をおすすめします。
脂質異常症には、悪玉コレステロールが多い「高コレステロール血症」、善型コレステロールが不足する「低HDLコレステロール血症」、中性脂肪が多い「高トリグリセリド血症」があります。原因は、大きく生活習慣(食生活の乱れ、ストレス、睡眠・運動不足など)、薬剤(一部の利尿薬やβ遮断薬などが副作用として脂質代謝に影響する場合)、遺伝的要因(親族・先祖に脂質異常症の方がいる場合、脂質異常症を発症する可能性が高くなります。)の3つに分けられます。
脂質異常症の治療には、生活習慣の改善が重要です。主に食事療法や運動療法を行います。しかし、これだけでは脂質異常症が治らない場合は、薬物療法を検討します。
脂質異常症は生活習慣の改善や薬の治療によって管理できます。定期的に検査を受け、治療を継続することが重要です。症状がなくても、心配なことがあれば、お気軽に当院にご相談ください。
代表的な消化器疾患について
胃潰瘍
胃潰瘍は、胃の粘膜が損傷し、深い傷が生じる疾患です。主な症状として、食後や空腹時にみぞおちに感じる鈍い痛み、胸焼け、吐き気、さらには重症化すると吐血や黒い便が見られることがあります。この病気は、ピロリ菌感染や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期使用が原因となることが多いです。治療には、ピロリ菌除菌治療や胃酸を抑える薬剤を使用し、症状を軽減するとともに潰瘍の治癒を目指します。生活習慣の改善も予防には重要です。
胃食道逆流症(逆流性食道炎)
胃食道逆流症は、胃酸が食道に逆流することで胸焼けや呑酸などの症状を引き起こす疾患です。これらの症状は特に食後や横になるときに強くなり、場合によっては慢性的な咳や声のかすれを伴うこともあります。食道括約筋の機能低下や肥満、飲酒、喫煙が原因として挙げられます。治療は、胃酸を抑える薬の使用や、脂肪分の多い食事を控えるなどの生活習慣の見直しが基本となります。
大腸炎
大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が生じる疾患で、下痢、腹痛、血便などが特徴的な症状です。原因は多岐にわたり、感染性のものから潰瘍性大腸炎やクローン病といった自己免疫性のものまであります。感染性の場合、抗菌薬の投与が必要なこともありますが、自己免疫性の場合は免疫抑制薬や生物学的製剤が治療に用いられます。症状に応じて適切な治療を選択し、症状のコントロールを目指します。
肝炎
肝炎は、肝臓に炎症が生じる疾患で、急性と慢性に分類されます。急性肝炎では、発熱、倦怠感、黄疸などの症状が現れることがあり、慢性化すると肝硬変や肝癌に進行するリスクが高まります。原因としてはウイルス感染(B型・C型肝炎が主)やアルコール、薬剤性肝障害が挙げられます。治療は原因に応じて行われ、抗ウイルス薬や生活習慣の改善が中心です。
胆石症
胆石症は、胆のうや胆管に胆石ができることで、右上腹部の痛みや吐き気、場合によっては黄疸を引き起こす疾患です。胆石はコレステロールの代謝異常や胆汁の流れの停滞が原因で形成されます。症状がない場合は経過観察が行われますが、症状がある場合には胆石を取り除く手術や内視鏡治療が必要となることがあります。
代表的な呼吸器疾患について
喘息
喘息は気道の慢性的な炎症が原因で、発作的に気道が狭くなり、咳や喘鳴、息切れを引き起こします。主な原因として、アレルギーや環境要因、遺伝的要素が挙げられます。治療は、吸入ステロイド薬や気管支拡張薬による症状管理を中心に行います。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、喫煙が主な原因で、気道や肺胞が損傷し、呼吸困難が徐々に進行する病気です。症状としては、慢性的な咳や痰、呼吸困難が見られます。治療には禁煙が最も重要であり、吸入薬の使用やリハビリテーションを行います。
肺炎
肺炎は、細菌やウイルス、真菌などの感染によって肺が炎症を起こす疾患で、高熱、咳、痰、息切れなどの症状を伴います。高齢者や免疫力の低下した人が特にリスクが高いです。治療は、原因となる病原体に応じた抗生物質や抗ウイルス薬の投与を行います。